山、湖、樹木が季節によって様相を変え、そこに刻々と変わる太陽の出る前の時間、毎日見るこの光景、それが私に力を与えてくれます。
外で水を触ると冬がこの上なく指先から伝わってくるのですが、外気とともにスッとした冬ならではの気持ち良さを感じています。
一方では立春もすでにすぎ、梅も咲き始め、春の訪れも間近です。
「毎日寒さが続きますね」と言う会話の中にも、自然界は同じことを繰り返しているのではなく、目に見えず、人には感じられずとも、刻々と春に向かっているのですね。
皆様の生活環境ではいかが冬を感じられたのでしょうか?
JHSもスタートを切るための準備を始めています。
すでに種の方は手配していたものは揃い、昨年圃場より自取りしておいた種の整理も終え、20日からの播種に備えました。
感覚的には中々その気になれないのですが、2月中旬はあのホットなペッパー類、マメ科達の播種開始時期となります。
熱く刺激的な唐辛子。
「二月から撒き始めるなんて」といったところが本音です。
でもちゃんと発芽するのですよ!毎年♡
発芽温度は15度以上。
温床を使うもよし、無加温で室温を上手に使って省エネで育てるも良し。
やり方はいろいろです。
発芽したものを外気と照らし合わせながら、定植の時期まで優しくお付き合いするシーズンとなりました。
私は無加温で、負荷もかけず、逆に過保護にしすぎずと言った、ギリギリのラインを狙って、発芽させ、育苗するのが好きです。
播種や育苗の方法は少しずつ研究し毎年違った方法をとっているのですが、昨年圃場の格納庫で得た多くのヒントを生かして、今年も初めてのやり方で実験してみようと思っています。
よく植物に対して、霜除けという事を聞きますが、霜さえ良ければ冬越えできる植物もあれば、霜除けとプラス最低限のその植物が耐えうる温度の確保と言う両方を考慮してやらなけければいけない植物とがあります。
後者は正直厄介です。
温度確保のために、加温、風よけなどが必要となり、風除けをしすぎるとアブラムシの発生や病気にかかる懸念が生じます。
そして、加温は湿度を失しなう乾燥とは逆に、油断すると蒸れて蒸し上がってしまうという、換気問題に向き合わなくてはなりません。
1番の問題は、最低限とは言えそれらを人工的に行う訳ですから、時期が来て外へ、自然の中へ放つ時の落差をいかに緩やかに移行させられるかが、一番の課題です。
一見同じようなことを繰り返しているのですが、それでも確実性はなく、毎年この時期から気を揉むのが実際です。
プラントで、デジタルやAIで管理するのであれば、人間を煩わせることもないのでしょうね。。。
でもJHSではそんな贅沢なことは言っていられません。
できる限り、より自然に、herb達本来が持つ生命力を尊調して、私は最低限の管理と観察力を駆使して、圃場へ、土へ放つまで頑張るしかありません。
これは私にとって楽しみでもあり、冒険でもあり、刺激でもあります。
今年もうまくいくといいのですが、これまでの自分のキャリアを信じてやることにします。。
そんなわけで、この10日のまでの間に、多くの資料を整理し、今年の資料を作り始めています。
随分前に作ったJHS Herb Listと言う資料を見直してみました。
当初JHSは200種に及ぶ種子を手に入れ、ひたすら播種して苗を作り、そしてこの地に定植し栽培してきました。
これまでと現在との大きな違いは、栽培から整備へ、定植から自生へと移り進んだと言うことです。
もちろん今でも、播種や定植を行い、いっときは栽培という形で向き合わなくてはいけないherb達も毎年僅かとはいえあります。
でも9割のherbは整備と自生という向き合い方で、圃場は完結しています。
これまでのHerb listを前に多くの事を思い出し、現在との比較もじっくりとしてみました。
そうして新たに、現在の状況を調査して2023年のHerb listを作りました。
栽培しても活用しきれないherbは一期一会で♡
実際に会えたのだからそれいい。。。
圃場や環境が気に入らず去っていたherb達も。。。
私自身が、この子とはちょっと?と思う子も。。。
そうして残るべきして残った面々。
永遠にどちらかが朽ち果てるまでのお付き合いを望むばかりです。
もちろん新しい仲間も常に募集中で、ニューフェースは風穴をあけ、気の流れをよくしてくれています。
2023年リベンジも兼ねてPachouliが再び圃場に根を下ろすことになっていて、
今は研究室で根を伸ばし、春を待ちかねている状況です。
これまで、半匍匐と匍匐種にこだわってきたRosemaryですが、2023年は以前お付き合いしていた立性もこの春、圃場に多量に加わる予定です。
その子達は20年前に巡り合ったRosemary。
居残りを敷いてしまい、置いてきぼりにしてしまったRosemaryですが、20年近い時を経て遅ればせながら、初めてJHS圃場に根を降ろします。
気に入ってくれるかが心配ですが、この子とのご縁を信じて見守りたいと思っています。
さて今年初めての格納庫での冬越え。
私の経験も今年が一年目。
色々見えてきました。
春を前に身が引き締まる思いです。
皆さまの所にも豊かな春が訪れますように。
また3月に。。。。。