秋もたけなわ、朝夕はグッと冷え込む様になりました。
実をつける柿や栗などは地面に落下し、それと同時に葉も落葉し、あっという間に冬の様相に。。。
本当に植物達はあれこれ言わずに淡々と1年のサイクルを熟していくものですね。
人のように寒くなってきて嫌だとか、雨が降り続いて早く晴れてほしい、等と何も言わずに現状を受け入れ、それを味方につけながら淡々と生きている姿には頭が下がります。
この淡々と生き延びる姿に感銘を受けます。
私もそうありたいといつも思うのですが、まだまだ修行が足りないようです。
私のお相手は植物、それもほとんどが自生植物ですので、常にその強さを突きつけられる環境にあります。
お野菜のように栽培品種であればその弱さも同時に感じることができ、何だか身近に受け止められるのですが、自生種となるとこちらが押されっぱなしです。
今年は近所のお百姓さん達から聞く限りでは、秋からの栽培はかなり困難を極めている様子。
例えば白菜は発芽自体が難しく、苗さえ不作とか?
また、他の葉菜類を播種しても困難な状況を招いているような?
実際、今年は悪い気を起こして、せめて自分が食べる分だけでもと思い立ち、一部自給自足を目指して私も6−7種類の播種を行ったのですが、なかなかスムーズに発芽を眺めることができずにいます。
お話を聞けば聞くほど、プロのお百姓さんでさえご苦労されているのだから、私がうまくいくはずもないと半ば諦め気味のこの頃です。
家庭菜園をやられている皆様のところではいかがでしょうか?
植物は環境とタイミングで、難なく育つこともあります。
特にタイミングが大事。
初めに困難すれば、最後までごねてしまいます。
でも始めがうまくいけば最後、つまり収穫まで順調に進みます。
時によっては、自分がお百姓さんになったかのような錯覚さえしてしまう感じです。
お百姓さんではない私たちは偶然に助けられいい気分になってしまうのですよね。
でもお百姓さん達は偶然を味方にしていては話にならないので、技術と経験をもとに駆使して栽培に挑まれているのだと思います。
今は科学的に栽培している農業者も多いことと思います。
実際、私の手元で生きるherb達も同じ。
でも違うのは?
栽培されているのいではなく、自生しているので、herb達それぞれがこれまでの生育過程で得た経験、事実から学び吸収して自らコントロールして生きている点です。
私はほぼ傍観しているだけで、その外郭から役立ちそうな事を協力している状態です。
私がherb達の生き様から、今年はどうなのか?この先の予測は?など常に感じ取って動くだけ。。。それだけなのです。
今シーズンも多くのメッセージをherb達からもらいました。
その要望や困りごとにどれだけ私が対応できたかは分かりませんが、そろそろシーズンも閉幕に近づいています。
さて、冒頭の画像にあるVitexの木。
これは今年来日した兄のお陰で初めて剪定を受けたのですが、この秋にまたまた多くの枝葉を出し2回目の剪定をしました。
私にとってはVitexの剪定は初めて。
実際、ブッシュとして生育するこの木は、一体どんなサイクルで自生しているのか、あまり確信はないままで剪定を行いました。
植木職人さんとは違う立場から、剪定することに。
形を整えるとか、陽がさすようにとかではなく。。。。。
私のキーワードは?
ただこのVitexはブッシュスタイルの木ということだけです。
つまり足元、根本から新しい枝葉を伸ばす植物、木ということなのです。
それだけを尊重して、それ以外は剪定してみました。
来年の春に答えは出ることと思います♡
次は?先月のこのherb timesでご紹介したPachouliのその後のご報告です。
herb達もそろそろと言わんばかりに冬を想定しての動きを見せてくれています。
herbはほとんどが耐寒温度がマイナス領域まであります。
もちろん、アフリカ種やインド種などのherbはその限りではありません。
その一つに、このインド生まれのPachouliがあります。
先日、大きく自生したPachouliを覗きにいくと、何だかお疲れ気味のご様子??
「あっ!このところの冷え込みでダメジーを受けているのだ」とすぐに分かりました。
数回までは耐えられても、限界があり、今だと判断して、鉢上げを行いました。
もちろん鉢上げ前に、地上部の葉を全て収穫させてもらい、大きめに抜根、そして鉢の中に納めました。
耐寒温度が高いこの子達は時間の問題で、このまま行けば間も無く透き通って枯れてしまいます。
それは以前栽培していた時に私も学んでいる事でした。
このような子達は冬季の間だけ、土ごとあげて霜からだけ守ってやるしかありません。
でも多少のダメージを受けても出来るだけ不自然な状態の期間を短く過ごさせるため、それぞれの限界ギリギリで鉢上げをします。
今からこの子達は来年の春まで静かに過ごしてもらう事に。
今年は水栽培苗から土での生育に力強くシフトしていく姿を見せてくれました。
感動を得、そして地上部の収穫物を与えてもらいました。
10株を土に下ろしたのですが、9株が生き残り成長しました。
収穫した地上部は現在乾燥加工まで進んでいます。
この後、発酵させていよいよ水蒸気蒸留で、distilled waterを得る事になります♡
この続きはまたそのwaterを得た時にお話ししたいと思います。
Sweet marjoramについて
このmarjoramはここで何年自生しているのでしょうか?
前述でご紹介したPachouliとは違いこの子は耐寒温度がマイナス領域まで大丈夫なherbの一つです。
特に、この子の生育する場所は小屋の陰ができる場所に位置していて、真冬は霜柱が15cmほどまで上がる場所。
それでも、根っこが持ち上がるでもなく、春になれば深い新芽を蔓延らせてシーズンにのかって生育しています。
おそらく、15年以上ここで生育を続けています。
Sweet marjoramは多くの香水の原料となる芳香性の高いherbです。
香りの感覚は人それぞれですので、私はなんともお伝えできないのですが、このherbが世界的に有名な香水の原料として広く君臨していることは見逃せない事実です。
薬用としても、私の一言では「弛緩」、これがmarjoramのなせる技です。
もちろん他にもいろいろな薬効や表現があるのでしょうが、私が長年このmarjoramと向き合ってきての印象です。
実は今月は私にとっては悲しい出来事が。。。。。
このSweet marjoramの名前を頂いて私と共にJHSのハウス犬として生きたmarjoramが神様の元に帰っていきました。
享年17歳という長い天命を全うして静かに去って行きました。
メンバーの方々をはじめ可愛がってくださった皆さまに感謝申し上げます。
私はこの子を通して、herbが持つ薬効や効果、真実を知ることができました。
動物実験をしたのではなく、marjporamが私の影響で多くのherbに囲まれて過ごした生活の日々から、彼女の反応や動物とherbの関わり方を観察させてもらったと言うことです。
人以上に動物は植物の力を自然に受け入れ、理解していることに気付かされました。
私たちももっと自然にそして敏感に植物に接したいものです。
さて、悲しい話は後にして。。。
画像では大きさがよく分からないかもしれませんが、これも先にご紹介したmerjoramと同じ年月を以って畳3畳ほどに自生しているthyme.
thymeは多くの品種があります。
Common thymeをはじめ、French、Orange、Lemonなど色々。
この画像のCommon thymeはteaとして扱うのが私の中での判断です。
spicyさ、fruityさが穏やかで、清涼感を思わせる品種。
spicyさを求めるならば、French thyme、そしてfruityさを求めるならば、Lemon thymeと私の中ではそれぞれ第一の選択として使い分けています。
多くのthymeが存在しますが、同じthymeでも環境の好みが色々あり、JHSの圃場では何故かFrench thymeの育ちがあまり良くなく、私の気を揉ませています。
全く育たない訳ではないのですが、Common thymeのように私の望むような自生の勢いはなかなか見せてくれないのです。
きっと私が土に下ろしたその土の環境がFrench thymeにとっては気に入らないのでしょう?
同じ圃場内でも、細部では環境に違いがあります。
例えば土のpHや、風の抜け具合など。
私はLemongrassやWood betonyでそれを知りました。
また来年も場所を変えて、French thymeの自生を夢見たいと思います。
本当にここまでくると栽培しているのでは物足らず、JHSのherb全てに自生としての生息を望む私のわがままなのかもしれません。
これは毎年多くの恵みを与えてくれ、そしてherb teaには欠かせない代表的なherbです。
見事に大きく自生し、株を持ち上げていったNettle。
残念ながら、今年は不作の年となりました。
その原因もわかっています。
私が毎年毎年収穫後に良かれと思って土よせをし続けたのが原因。
このherbは、どうやら土よせが苦手のよう。
いつも地面スレスレにフラットで居たいのだと感じています。
これもただ私がそう感じているだけなので、真実かどうかは分かりません。
土から離し、再度その場にフラットに居ずわらせてみました。
この結果も春に出ます。
それまではじっと私が我慢する番です。
頑張って欲しい、ご機嫌を取り戻して!と祈るばかり♡
Echinaceaは強壮系herbとして知られているherb。
これも品種があり、私の中ではpurpureaはこの可愛らしい花から力をもらい観賞用herbとしてエリアを提供しています。
私が薬用として信頼しているのはnative Indianが愛したとされるEchinacea angustifoliaです。
その使用部位はroot(根)にあります。
angustifoliaを育てその根を目の当たりにすれば、purpureaのそれとは全く違うことに驚かれると思います。
植物を本当に理解する上で大事なことは地上部だけなく、それぞれの根まで目を向ける事にあります。
全ての植物は土の中にもしゃもしゃと適当に根があるものと一括してまとめてしまわないことが大切です。
根にもそれぞれの特徴と美が存在しています。
もし皆様がherbを育てていらっしゃるのであれば、ぜひ根まで観察して、根だけを見ても何のherbであるかわかるように努力してみてください。
そこから得られる知識や感覚や理解は根のように深まることと思います。
最後に。。。
別名、Ciboulette 、Cipollina、蝦夷ネギとも呼ばれるherb。
以前、私はフランス語ではなく英名Chiivesが頭にこびりついていたお陰で、なかなか相手と求めるこのherbに辿り着けなかったことを笑い話のように思い出されます。
同じヨーロッパ内でも各国で呼び名が違い、世界を跨いでしまうと迷宮入りしてしまうことも?
ポピュラーな英名でもチャイブと呼ぶのは日本、そして正確にはチャイブスとsをつけて複数形で呼ぶのが正解なのです。
どうでもいいのでは?sが付こうがつくまいが。。。なのですが、実際にはこのsは大切なのです。
この sはChivesの生き方、生息状況を表しているからです。
つまりChivesは単体では生息を好まず、何株かが一緒になって複数で生息することを好むからです。
ですから植え替えの時、株分けの時は5−6株を一つにして定植したり、株分けしたりします。
昨年、JHSでは料理に積極的に使う理由ができたことから、Chivesを増やす事に専念しました。
花穂を土にさし、どんどん発芽させて株を増やしました。
しかし今年になって、確かに株は2倍以上に増えたのですが、親株のそばに多くの発芽をさせ、新しい株を増やしていったため、株間がタイトになり、結局土の中の栄養配分が貧困になったようです。
ある程度のディスタンスを望んでいるかのよう??
いつもの様に圃場で眺めを楽しんでいた中、急遽その日に参加してくれたメンバーと二人で、一気に株分けと定植を行いました。
画像にあるのがその時の様子。
これでうまくいけばよかったのですが??
その数日後には猪が訪問してきたようで、バラバラに引っこ抜いて、そのあたり一面に広げていました。
食べたと言う形跡よりも、遊んだと言った形跡でしたが。。。。。
いずれにせよ、小さい時はどのherbも悪戯として遊ばれるか、新芽として食べられるかの被害は常に警戒しなくてはならない事なのです。
洗礼を受けたchives達を再び拾い上げて今度は深めにしっかりと定植し直しました。
幸い、今は根も落ち着いて着床し新しい芽が天に向かってすくすくと伸びています。
本当は猪に掘り上げられた状態、定植し直した感覚、そして今を全てみて欲しいと思うのですが、これは毎日herbと向き合わないとなかなか得られない事実ですね。
♡毎日多くのストリーが起きている JHSの圃場であります♡
今月はこの辺で、
JHSのある私たちの地域だけではなく、もう皆様の地域でも確実に寒さが訪れる事でしょう?
今年はただの風邪でさえ長引く気配です。
どうかご自愛されてお過ごしくださいませ。
それではまた次回をお楽しみに。。。♡