2023 JHS Herb Times Vol.15

16歳を迎えるLavandin

15年をひと区切りに新たにスタートを始めたJHS。
立ち上げの頃から共にここで過ごしてきたLavandinもまた今年も頑張って花を咲かせてくれる様子です。
もうしっかりと、この子達の遺伝子は200株の苗木として受け継ぎを成功させています。
今年はその苗木を土に下ろします。
親となった16歳の株に、この分だと自分の子供たち200株を見せてやれそうです。
光を、空気を、土を、通して交信し合いお互いを認識すのでしょうかね?
私にはわかりません。
でも少なくとも遺伝子を受け継ぎ自生種の歴史を受け継いでいくことに間違えありません。
意外にも芳香は歳を重ねている株から抽出されるものの方が芳醇で濃厚で、それはまるで香水のようです。
もちろん、収量は劣りますが、それでも私はこの年月を重ねないと得られない芳香に魅力を感じずにはいれません。
ですからどんなに、僅かでも、姿形にはみずみずしさを見ることが出来ずとも、この16年株のLavandinは私にとっての宝なのです。
今年は親にとって第一子、第二子が圃場で共にシーズンを演ずることになります。
16年生きているこのLavandinは子宝に恵まれてもうなんの心配ありません。
生きれるところまで寿命を緩やかに全うしてもらいたいと願っています。
そうこうしているうちに、 第一子の5年株が熟成期に入ろうとしています。
今年あたりは蒸留での収量も上がり、芳香も充実してくるのでは?と期待しています。

ポットの中は根が十分に張っており葉も厚みを持ち始めいよいよ200株揃ってデビューです

さて、立春もすぎ春分まで1ヶ月を切り暦の上では春満載。
一方で実際の天候はなかなかの寒さを日々送り込んでくるのですが、皆様はいかがお過ごしですか?
暦に沿って淡々と進んでいくのが得意な植物はその点で人間をはるかに超えています。
普通は今の圃場を見てもただ寒さに耐える地味な光景としか受け止められないでしょう。
しかし、その植物の一喜一憂せず淡々と生きる姿がそこにはあります。
観る切り口を変えてみれば、それはエネルギーの塊のようです。
長く植物と共に生きてきた私にはそれを感じることは容易です。

この地においては、「今年の気候の流れは数年ぶりに順調」
と教えてくれています?
この天気予報、当たるでしょうか?
それも楽しみに圃場に出向きたいと思います。

同じく10年を超える立派な低木種の姿を観ることが出来ます

出るべきタイミングで芽を吹き出し始めたHyssop.
今年は私の気を揉ませることなく力強く動きを見せてくれています。
この子はすごい力を秘めるherbの一つ。
今年は沢山収穫できれば蒸留に踏み切るかもしれません。
精油としてではなく水溶成分として使い込んでみたいのです。
水性であればその精油とは違った活用性が大きく広がります。
どうか豊作でありますように♡

順調に春を迎えたLemongrass

この子は代表で。。。。
本当に多くのLemongrassの株が格納庫内で動き始めています。
昨年の秋、私自身が思いつく限りでの形態で冬越準備を仕込みました。
今の所、観る限りではどれも可能性を秘めたまま動き出しています。
定植までは実際にはなんとも言えません。
取り敢えず定植まで全力で管理することになります。
もちろんこれまでに、「ここまで来て。。。。。全てを失った」ことも経験しています。
しかし私にとっては研究ですので、どちらの答えが出ても同じように貴重なことなのです。
さぁ今年はどちらに振るのでしょうね?それともバラバラに答えを出してくるのでしょうか?
全てを失った時、全てを得た時、どちらの実験結果に対してもその後のシュミュレーションはできています。
ここまで私のテンションを上げてくれているLemongrassに感謝です♡

hotなSpices類を含む第一陣の播種

新月に合わせて今年も第一陣の播種を始めました。
主に国内のホットスパイスの播種が中心ですが、マメ科のherb、キク科のherbなど、まだ数は少ないのですが、それぞれの播種適期を逃さず播種していきます。

中でも私にとってはマメ科のherbが重要で種を手に入れるのに苦労しました。
リベンジなのですが、今後は絶やすわけには行かず、本年は収穫よりも種子の採取にフォーカスしたいと思っています。
この種に限らず、自生にもっていき、種を取り、さし木をし、絶やさずに継承していくことが大切です。
これまで頭では分かっていましたが、そろそろそれに本腰を入れて、循環させることに尽力する時期が来ているように感じています。
何せJHSに生息する子たちは全て外人さんですので。。。。
本来は植物自身で時期が来たら、勝手に種を落とし、根をはり継承し続けるのですが、原産地との気候風土ずれで最小限の手出しは必要となるのが現状です。
JHS研究圃場に生息するMedicinal herbのほとんどが多年草および宿根草の類ですので、循環を目指しています。

無事マメ科もキク科も発芽を始めました

時々長い付き合いをしていてもあまりにもこの時期乾燥しすぎて死んでしまったのではと心を騒がせる子もいます。
その代表はSageです。
格納庫の中でもほぼ外見はお亡くなりになったのでは?と言う姿で現在プラグにいます。
でも外の圃場では先に芽を見せてくれて一安心。
思えば昨年も同じで、「今年は不作か」と覚悟したのですが、私の求める以上の生育と成長を見せてくれました。
あまりにも沈黙好きな子たちはそうして私の心を騒がせます。
でも私にできることは信じることだけなのです。
これまでの結果は裏切られることはほぼありませんでした。
ありがたいことです♡
この子とはすでに信頼関係ができておりそろそろと私が思うタイミングで今年も動き出しました。
沈黙好きな子は後少しだけ。
今年もみんなが健康で、伸びやかに成長を見せてくれますように。。。

寒そうで可哀想なのですが私は「がんばれ!」とエールを送ることしかできません。

JHSの圃場には私的な感覚でこれまでに選抜したmint類が17品種生息しています。
この子たちは私のブレンド技術のバックアップとして重要な存在です。
どれもが個性を持ち、私が求めるブレンドのオリジナル性を高めてくれています。
毎年17品種が揃って豊作や不作になるのではなく、それぞれが勝手に「今年は!」「ちょっと休息」と決めているようです。
2023年はどの子がやる気を見せてくれるのでしょうね。
これも楽しみの一つです。

やる気満々♡

気が落ち着きをみせる静かな2月、その締めとして多くのherbを使ってお香をつくりました。
お香作りに興味を持って早15年。
毎年違ったスタイルと、ブレンドで。
天然の香りに気が落ち着きます。
私は鎮魂であり、天に繋がるような気がします。
本当に自然の香りには力があるような。
決して派手な香りではないのですが、炊いている時はいかにもお線香。
でも香を炊いたのちに、室内に空気が流れ、後々になって思わず香の香りが空気として鼻腔から入り感じる静寂感。
お香も私とってはherbの活用の一コマに過ぎないのですが、そして数年に1回ぐらいのお香作りなのですが、それでも手にふれ練ってみれば奥が深く、毎回作る度に興味がそそられる世界です。

こんな粉になってしまって。。。でも多くのherbたちに感謝です

これから私の舞台は圃場へと移ります。
この12月から2月まで3ヶ月、身体を十分に休ませてもらいました。
少しずつ体を慣らし、今シーズンも圃場で奮闘したいと思います。

皆様はどんな春を迎えられるのでしょうか?
シーズン中のJHS Herb Timesをこの先もお楽しみに♡
4月にまた。。。

2023年2月27日Permalink