JHS The Herb Style Vol.3

akizora

気づけば秋、このJHS The Herb Styleを前回アップしたのはGWの頃だったと記憶しています。
シーズン中で私はherb圃場に囚われ、ただただ暑かろうが、疲れていようが毎日、来る日も来る日も圃場通いの日々を送りました。
ホッと一息ついたのが11月。
圃場を後にするとき、空を仰げば鱗雲で夕暮れを迎えている光景。
「あぁ夏も終わり秋になったのだ」と感じた次第です。

今年の夏から秋までの私のHerbal Lifeを少し振り返ってみたいと思います。

ところでHerbの定義って何だと皆様は思いますか?
私は、有用植物を全てherbと捉えています。
私たちの生活に役立つ植物です。
芳香成分を含む植物をherbという。薬用成分を含む植物をherbという。
その両方を持つ植物をherbという。。。。
など諸説色々ではありますが、私の中でのherbはやはり、私たちの生活に役立ってくれる植物全てをherbとして捉え、天からの贈り物と感謝してその恩恵を受けたいと思っています。
ですからお野菜も、木の実も、フルーツも、全てが私にとってはherbなのです。
ただその中で、私は西洋由来の薬用成分と芳香成分を含む植物だけを圃場で自生させその研究と伝承を啓蒙しているだけです。。。

さて定義などという難しいことは置いておいて、早速初夏から晩秋までの私のHerbal Lifeをご紹介していきたいと思います。

African Blue Basil / Fennel / Yerba buena Mint

初夏には多くのherbがハイシーズンを迎え始めます。
だからと言って、どれもこれもが順調に旬の姿を見せてくれるわけではありません。
今年、JHSの圃場においてはMintが少しむくれている子もいて?
人間と一緒でいつもご機嫌なわけではないのですね。
そう考えると可愛らしい♡

それでもbuena Mintはとても元気でした。
ほかのmint達はむくれている子が多かったのに、buenaだけはご機嫌でした。
それに私は引かれてmintが沢山入った餃子が食べたくなり、ハーブ餃子を作りました。
お供のherbはFennelやBasil達。
仲良くいい味を出してくれました。
私の作る餃子はお野菜はもとより圃場でそだつherbを沢山入れるので、いくつ食べてもモタれることはなく無限に食べられます。

奥左から、herb,キャベツ、豚ひき肉、手前左から戻した貝柱、えび、干し椎茸
お肉を半分ずつ入れて少しずつお肉にherb の香りを吸い込ませるように混ぜていきます

今年前半のミントは不作とも言えましたが、餃子を食べて満足♡
後半のシーズンに期待して、そして夏を迎えました。

夏はherbたちもひたすら暑さに耐えてお休みします。
秋のシーズン後半に向けて体を休めている様です。
私たち人間は行楽や観光にキャンプにと出かけ、涼しい所へと移動するわけですが、植物は生まれたその時から、土に根を張った時から、死ぬまで、絶えるまでそこに居るしかないのです。
何だか気の毒にも哀れにも思えるのですが、深く覗いてみると。。。

そこには彼らの世界があり、知恵があり、見事な夏の過ごし方をしていることに気づきます。
それどころか、次に来る秋本番のシーズンとさらに伝承しながら、気候をいち早くサーチしながら、子孫を残す準備をしているのです。

今年はこれと言った残暑もなく9月に入りその頃丁度、私の生活の中では尊敬する祖父の命日を迎えます。

この時期はいつも思うのですが、herbシーズンだったらherbでブーケを作り、祖父に捧げられるのにと思うのです。
しかし、こちらの都合でシーズンは迎えられないので、せいぜい上手くいってもEcinaseaが開花しているぐらいの時期なのです。
でも毎年毎年、Ecinaseaを捧げる気にもなれず、季節的には少し早いのですが、今年は10月にシーズンを迎えるローズを選びました。
珍しいアプリコットカラーのローズに心を惹かれ。。。
そして圃場から勢いのあるRosemaryをグリーンとしてお供させました。
画像では見えませんが、お線香の代わりにLavenderで作ったお香も燻らせました。

祖父は喜んでくれるのでしょうか?こうして毎年夏は終わります。

秋に入ると、毎年心を込めて栗を下さる方がいらっしゃいます♡
どれ一つとっても見事な栗!

きっと自分たちは小さかったり形の悪い栗を召し上がって、私には、人様には、できのいいものから順に下さっているのだと。。。
そう思うと、ついつい大事に最大限にこの栗を生かして頂戴せて頂こうと思うのです。

栗の調理法は色々ですが、ナッツではあってもそのまま乾燥させて食べれる木の実ではありません。

また、私の世界でも、ナッツ系のオイルはかなり広範囲で使っているのですが、栗のオイル?少なくともアロマの世界では存在しませんね。

栗をオリーブオイルに漬け込んだりしている様な加工物はある様ですが?
マカダミアオイル、アーモンドオイル、ピーナッツオイル、とナッツのオイルは沢山ある中、栗はナッツでも特別な存在なのかもしれませんね。
単純に考えれば油脂成分を他のナッツの様に持っていないのでしょう。
確かにマカダミアのように脂っこくないですものね。

まぁナッツオイルの正体はいいとして、頂いた栗は毎年、渋皮煮にして頂くのが恒例となっています。
流石に鬼皮は食べれませんが、これが一番栗そのままをいただける、ホールフードに近い調理法ということで。
仕上げにちょっとブラウンラムをかけて、スイーツらしい香りを添えます。

崩れることなく仕上がり今年も感謝して頂きました。ありがとうございました!

この栗達は太平洋を飛んで遥かカリフォルニアまで行きました。
日本の調理法、手間はかかりますが価値ある調理法です。
アメリカでも気に入ってもらえたようで、今年はグローバルに日本の秋を紹介することができました。

10月に入って、今度はオリーブをお届けくださった方がいらして♡
それも黒オリーブ4K!!

以前オリーブ園に伺った時に「お茶うけにまかないですが」と言ってさりげなく出してくださった、煮豆ならぬ「煮オリーブ」?
本当に初めて出会った味でした。
甘く、オリーブの香りがして、口の中ではバターのような濃厚な旨味。
本当に印象に残る味覚との出会いでした。

オリーブは7段階の色によって識別するそうです

そしてそれから4年。
今年、オリーブ園に再び伺って、農園主の方にオリーブの挿木の仕方、剪定の仕方など栽培上の私の疑問にお答え頂き、勉強させて頂きました。
その際に、幻のまかないオリーブの作り方も教えて頂きました。
しかし完熟した黒オリーブをお譲りいただくまでは厚かましいと思い、まぁのちに黒オリーブにご縁があれば、そのレシピーで作ってみようと言うことで私は満足いたしました。

しかし間も無くして黒オリーブをその農場からお届け下さった方がいらして♡
もう私はスイッチが入ってしまい、12日を費やして再現し、とうとう作りあげました。

塩水につけて灰汁と渋みを抜きます
まだ渋く、表面には脂が浮いています。
表面の脂も抜け、渋みもおさまってきた黒オリーブ達
ゆっくりと日にちをかけて煮ては、冷まして、煮ては、冷まして。。。
丹波の黒豆ではありません、「オリーブグラッセ」です。

さて皆様のところでは、もう霜はおりましたか?
暦の上では10月25日あたりで霜が降りるとされています。
確かに朝方は温度が急激に下がり、これから来る冬の厳しさを予告するかのようです。
日中との温度差が激しく、ちょっと油断すると体調を崩す方も多いのでは?

私も疲れが溜まって免疫が低下していたのか?ある朝目が覚めた途端、咽頭、口頭あたりがヒリヒリと刺す様な痛みを感じた日がありました。
無理せず今日は休養日?と思いながらも、ここでこそherbでしょ?
自分のためにherbセラピーをしました。

大袈裟なことではなく、まずはSageのティンクチャーでうがいをしました。
1時間足らずで、痛みは完全に消失しましたが、体からサインを受けたのですからそれを真摯に受け止め、さらに Sage, Marrow, Mint, Meadowsweet 他をブレンドしたティーを600ccほど作り、一日ゆっくりしながら少しずつ飲み切りました。

意識的に食事も、ガーリックやジンジャーを使ったメニューに。
翌日はいつも通り圃場へと行くことができました。
herbに感謝です。
改めて植物の持つ力に納得の1日を過ごしました。

気づけばSageのTinctureが少量に!まだフレッシュが収穫できるので急いで仕込みました

11月のある日、ある出会いから白菜を手にいれて。。。
まだ少し早いのですが、恒例の白菜漬け第1弾。
まずは大きな樽と、15kの重石2個を下の国有林からGardenに運び込み
岩塩を用意。
ところが岩塩が減っていることに気づき、再び下から20kの岩塩を運び、木槌で砕き、1kずつ袋詰めをしてから始めました。

下漬けで、今回は2日で被るほどの水上がり。
きっと美味しくできると期待しながら、3日目には本漬けに。
私の漬け方は?圃場で出来た赤唐辛子、JHS Gardenに毎年できる本ゆずをたっぷり使って昆布と一緒に漬け込みます。

半日風に当てて

無農薬で作ったと嬉しそうに売る、山奥の農業ご引退お爺ちゃん3人組から譲って頂きました。
ご自慢のお野菜を話しながらあれこれ薦めてくる、引退トリオ。
自然の中で時の流れに沿って、楽しい時を過ごしている様子が本当に印象的で♡
また明日も買いに来な!
そうわ言われても、うちからはかなりの距離で、でも第2弾の白菜漬け本番の時はまた足を運ぼうと思っています。
こちらまで楽しいひと時を分けてもらいました。

まだ早めとあって酸味が早く来ます

あっという間の半年。
そろそろ圃場も冬の準備が整い、本当にherbたちは眠りの時を迎えます。
でも来春に向けての苗達が圃場の格納庫にはまるで幼稚園のように賑やかな状況になっています。

圃場を見ればどれもこれも収穫して生かしてやりたいと思いながらも、土に自然に帰っていく子達もいます。

ギリギリまで、出来るところまで私も必死でherbたちと向き合っています。
頭の中は、これはドライにして、残ったこれは入浴剤用に加工して生かそうかしら?これはこのまま冷凍保存で、この子達は間に合えば蒸留?頭の中は思考が交錯しています。

でもその日にできる事は思いよりもはるかに少ないことで終わってしまうのが現実。
欲を張らずにあの白菜のおじいちゃん達のようにゆるりと過ごせる様、毎日努力する日々です。

その中、2年前からどうしても自分で作って食べたくて、タネから育てていたニラをやっと収穫まで漕ぎつけました。

スーパーに行けば安価で袋に入って山積みで売られているニラ。
でも自分で育てるとスーパに行っても見る目が変わります。
たかがニラ、されどニラ、2年かかるのですよ!
なかなかのお野菜です♡
このherb達と同じJHSの圃場の土でニラを育てら?と思いつき始めたこと。
何故って?それは香りです!
ニラは香りのお野菜、柔らかくいい感じに育ち香りも抜群のニラが出来上がりました。

多くのメニューが頭の中を走ります♡

長くなりましたが、これが私のシーズン中のレポートです。
私の中では、今シーズンは充実した時をherbたちと過ごせたと思っています。
また来シーズンを夢見て、冬を過ごしたいと思います。
冬の JHS The Herb Style をお楽しみに。
皆様も素敵で健康な冬をお過ごしください♡ 

2022年11月11日Permalink