2022 JHS Herb Times Vol.3

Wood betony

あれこれしているうちにもう3月。
今年は霜柱もたっぷりと上がり、積雪も2回、しっかり冬の催しをこなしながら春を迎えています。
霜が作る土は本当にその年の豊かさをお知らせしてくれているようです。

JHS Gardenの方ではすでに播種がはじまり、そのついでに温床に入れてもらった子達は豊かに力を蓄え、土へのデビューを待ちかねているようです。

温床を使うことは私の中では不自然であり、あまり行いたくない事なのですが、このあと、すぐにChamomile,Blue coenflower,そしてCalifornia poppyと蔓延する期を控えており、この子達の位置決めと収穫を行うには、先に播種を済ませておかなくてはならず、仕方なく温床を建てているのです。

本当は自然の暖かさの中で発芽したいのだと思います。

JHSの圃場は600坪(2反)ほどありますが、それでも私にとっては広い圃場です。
JHS立ち上げ当初は飛び地で7反ほど抱えていたことがありますが、一人で抱えられる面積は私にとって2反が限界と知りました。
お野菜の栽培とは違い、種類は100種以上、四季ごとに収穫してまた新たに植え直すこともなく、一度その地に根をおろすと多くのHerbが10年、15年と根付いて生きるのです。

年に何度も仕切り直しをできるお野菜とは違います。
何が違うかって?
そこにいるので、そこで広がっていくので、土一つ耕すにも耕運機で真っ直ぐ一気に耕すことができないのです。
また、エキストラグラスも無作為にHerbと共生しているため、これも一気に刈り払いで手入れしていくことができません。

さらに、常に姿を地表に見せている子達ばかりではなく、ワイルドフラワーを始め年に一度だけ姿を見せ、一ヶ月も華やいだ姿を見せれば、また来年♡と分身を散らして姿を消す子もいます。

一度咲いたらそのあとはどこに潜んでいるのか?わかる術がないのです。
その一帯、もしくは圃場全体をあれこれと土を強引にいじくり回す事ができません。

これはやったことのある人しかわからないと思うのですが、片付ける、刈り取る、耕す、播種する。。。
お野菜の栽培と違って、Herbは全てが一気にできないのです。

一気にできない!それは効率の面からいけば最低!
その結果、一人でできる範囲は2反と決めたのです。

でも商業的にHerbを捕らえず、研究や実験、セラピーや人様へのヒーリングに役立てる限りでは、⒉反は十分すぎるぐらいの広さと私は受け止めています。
特化してお野菜のように、そしてLavenderのように、単一栽培ができる植物もありますが、きっとうまくいかないHerbの方が多いかと思います。
それは多くのHerbが共生し合って生きているからです。

何気ないことからそれは気づきました。
圃場内で育ている中、どのHerbも繁殖力が旺盛で、選抜という辛い決断を常に強いられます。
実際、決断はしても手には外されたHerbがあり、それを持って私はウロウロさせられるのが常です。
いつからか、私は圃場の小屋の横にそれをとりあえず避難と心で言って、そこに無差別に植える習慣がつきました。

1年、2年と、無意識にその習慣を繰り返した結果、そこには見事なHerb Garadenとしてのエリアになりました。
圃場の片隅にあるお庭♡

そこには多種多様のHerbが「今度はここで!」と言わんばかりにお互いに遠慮しながら生息しているのです。
勝手に、いきなり連れてこられた割にはとても素直です。
遠慮もしているけれど助け合いもしています。
見事なコミュニケーションです。

そのGardenの住民たちは本当に嬉しそうに、健全に、豊かに。。。。
今ではその子達が私にとっての心の支え、安定剤のような存在になってくれています。
圃場内のHerbたちに何かがあっても、「あのGardenの中にあなた達の分身がいるのよ」って圃場内のHerb達に言ってあげられるからです。

誰でも何かが立て込んでぐちゃぐちゃになったり、お部屋の中の鉢一つをとってみても、一見醜い腐りかけたような状況になると、一掃してすっきりとしたいと言う衝動に駆られると思います。
まぁ断捨離的な感覚かもしれませんね。

捨ててしまえば心の中ではまた1からやり直せる。
これまでの失敗を引きずることなく、先に希望を持って進めるなど。。。

生き生きとした植物は愛でても、枯れてほとんど姿が見えない、溶けてしまっている植物を同じように愛でる事ができるのでしょうか?
「もうダメかも?いつまでも枯れた花を飾っておくわけにはいかない」
となってしまうのが現状でしょう。

でも、Herb圃場の管理はその我慢の何者でもないのです。

不思議なものでそのダメ?枯れた花?の地下茎に生命を感じ、ダメ姿にも、枯れた姿にも美学の存在が感じられるようになります。

規格という言葉に相反する世界が生物界には存在しています。
規格外はゴミ?B級品?
生物界では規格なんて存在しない。
私はHerbを通して多くのことを教えられています。
微生物からアフリカゾウまで、生き物の大きさは様々。
でもこれ全て生物なのです。

なぜか春になると、そしてHerbの世界ではシーズン幕開けのこの時期。
私は毎年こんな思いにさせられています。
皆様はこの春、この芽吹きの時期に何を感じられているのでしょうか?

2022年3月3日Permalink