今年は結局 thyme の収穫はそれほどしないままシーズンを終えようとしています。
thyme は独特の衛生的な香りを持ちあまり癒しの芳香性とはかけ離れた位置にあります。
もちろん、料理においてはこの香りが生臭さなどと相まっていい香りに転じるのですが、thyme をシングルで herb teaとして楽しまれる方は余程変わった味覚の持ち主だと私は思います。
特に common 以上の品種についてはそれが言えると思います。
thyme には多くの品種がありますが、私の中では
● 交配種 citrus系の thyme
● common thyme
● french thyme
● creeping thyme
この4系統に分けています。
JHS研究圃場では creeping thyme を除く3種4品目を生息させています。
そして私の頭のなかでは common を中心に右と左に振って thyme が必要なときは使い分けをしています。
詳しいことはセミナーの中で機会があればお話ししていきたいと思っています。
さて thyme の語源からいくと「勇気」となる訳ですが creeping は「忍び寄る」と言う意味。
これをくっつけると「勇気を持って忍びよる」??ちょっと怪しげな感じもするのですが、一般的にはグランドカバーとして園芸種として栽培されているのをよく見ることができます。
料理や薬用として使えない訳ではありませんが、フォーカスしていくと、私の中でははずす品種です。
薬効では、虫除け、石鹸、防虫、歯磨き、うがい薬と言った具合ですので、香りはご想像にお任せいたします。
一方で French の料理人の方々が望まれるのはもちろん french thyme です。
とてもパンチが効いていて、スパイシーな香りとテーストを持っています。
おそらく、スパイスメーカーが thyme と称して販売されているのはこれだと思います。
私はスパイスとして french thyme は好きです。
そして therapy でも healing でも使えるのが common thyme です。
刺激が弱く、穏やかな芳香性、そして薬効は完璧です。
しかしこれはあくまでも好み、主観的ですので、この芳香性で全ての人が癒されるかどうかは保証できません。
それはもちろん common thyme もthyme ですから先に述べたように、独特の衛生的な香りをベースとして持っているからです。
私はたまに上出来に生育したときは、収穫してteaとして飲用します。
美味しいです、いつもの JHS quality です。
うまく言えないのですが、飲んだ瞬間、「辛口の評価を頂いた」時のような、原点に戻らせられ、姿勢を正してやる気になる、みたいな感じです。
辛口の評価をもらって、めげる人、感じない人、やる気になる人、快感になる人、人の反応は色々です。
ですから、やる気になる人、快感になる人にはきっとこの common thyme を美味しいと評価し、時にはteaとして楽しめると受け止めるのでしょう。
交配種は、人が美味しさや香りや美しさを求めて作り上げた品種。
流石にいいとこ取りで、受け入れやすい品種が多いですね。
私は個人的に citrus 系の thyme を好んでいます。
私の気持ち的なお話しですが、これまでごねまくっていた orenge thyme がいよいよこの数年間で繁殖しつつあります。
私の作り上げる JHS の土が気に入らなかったのでしょうね。
植物にも好き嫌いがあるので、それを尊重して待つこと5年。
いよいよ歩み寄ってきてくれたように感じています。
香りですか?いまいちです。
でもとりあえず生きようとしている、ここに根を下ろそうと決心してくれたところなので、これからです。
「ここの土も悪くはないよ♡そして自由に生きていけるし。どうよ?」っていつも私はその thyme 達に声をかけてきました。
ここで生きるとは決断したようですが、まだごねが残っていて芳香成分を放出するまでの素直な気持ちには転じていないようです。
その内、素直にのびやかに生息してくれることでしょう。
そんな訳で thyem されど thyme と言ったところで、JHS研究圃場に生息する多くの herb の一つ。
皆様の目で thyme を観察されてみてください!
さて10日の WS は?
お天気がどうなるかですが、降らなければ圃場で行いたいと思います。
土曜日を入れてもあと4回。
今年はコロナで色々な事が制約されましたが、何も変わらず開放的に向かい入れてくれた圃場に感謝です。
よく観察すると手を入れることはたくさんあります。
今年は出店、イベント、マルシェを全て0にして圃場と向き合っただけ、例年になく整備が整っています。
その一方で向き合っただけ、まだこれも、まだあれもと見えてきたものが沢山あります。
車で高速の旅をするのと、同じところを歩いて松尾芭蕉のように旅をするのとの違いでしょうね。
見えてくる風景が全く違うのです。
皆様と今年最後まで圃場を見届けたいと思います。
Time:9:00-12:00
Place:研究室集合→JHS 研究圃場(ひとまず研究室集合でお願いします)
Expense:¥10,000
Baggage:圃場セット(HP:WS→H.WS→Field WSでの
持ち物参照)
10日は9日よりも温度が上がり晴れ間もあるようですが、全般的に既に冬型の温度、天気となっています。
各自暖をとれるように、装いや飲料等で暖を確保できるようにしていらしてきてください。
特に手先、足裏、腰が冷えませんように♡
よろしくお願い申し上げます。