癌とアロマセラピー

JHS ではAroma therapyとIsotope therapyをテーマに研究を行っています。
今回は2009年より続けていた「癌とアロマセラピー」の検証報告です。

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アロマセラピストとして癌患者さんと初めて向き合ったのは2年前の事でした。
勿論、アロマセラピーをもって癌に挑戦した訳ではありません。
むしろ闘病を続ける癌患者さんにアロマセラピストとしてまた、アロマ(芳香成分)が何処まで患者さんに受け入れてもらえるのかと言う疑問を抱えてのスタートでした。

私と患者さんとの向き合い方は、その時々に於いて、患者さんがどのような苦痛を抱え、心の中にある不安や恐怖そして希望について一緒に会話する事でした。
そのセッションを繰り返す中で医師から告げられたリミットを遙かに超え、充実した時を少しでも多く共有出来た事は事実です。

アロマセラピーとしての精油やハーブのレシピーも重要であり、実際に、多くのハーブや精油を使い、諸症状に対する施術、ケアーをもって対処に当たりましたが、患者さんの闘病が終わった今、何が重要であったかは別の何かがあるように感じています。

癌患者さんは多くの痛みや苦痛、不安、恐怖を抱えています。
それらを100とした場合、患者さんは終末に近づけば近づくほど0より99を望んでいると言うことです。

また、患者さんは弱者と思われがちですが、看病に当たるご家族や、治療に当たる医師よりも遙かに強人であることをセラピストは認知しておかなくてはなりません。
それは孤独な闘病の中で患者さんは健常者の予想を遙かに超えるマニアックとも言える試練、ミッションをこなす事で、慰められる立場ではなく時として周囲を癒す立場に立つ事さえあるからです。
尊厳死という言葉があるように、アロマセラピストは患者さんと向き合う場合、「患者さんを尊厳する」事を根底におかなくてはなりません。
セラピストとして「何かお役に立ちたい」「癒して上げたい」等と言った、無責任で傲慢な気持ちではとても向き合ってセッションを行うことは出来きません。
実際現場に立たされると、それほど現状は厳しいと言うことを理解してもらえればと思います。

実際に行ったセラピーの詳細は量的にもプライバシーの面からもこのページでご紹介するのは控えますが、このセラピーを通して得たことは・・・
1)タッチングの理論を基本に考える事
2)患者さんが最もリラックスしてセラピーが受けられる環境とシステムを個々の患者さんに対して確立する事
3)患者さんを常に尊厳する事
の3つに要約されます。

患者さんとのこの2年間の経緯を今後の研究に生かし、「アロマセラピーと同位体療法」の検証を続けたいと思います。

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毅然と誇り高く生き抜いた患者さんに対し、
「敬意の念と感謝の気持ちをもって、心よりご冥福をお祈りいたします。」
IFA 正会員 アロマセラピスト 石井智子

2011年1月26日Permalink