2023 JHS Herb Times Vol.20

晩夏

夏も終わり。
晩夏の味は、強く、疲労感を遮る清涼感、そして洗い流す清浄感、希くばめくる時へのエネルギー。。。。。。
と色々なイメージを持ってherbをブレンド。

herbには個性的な香り、テースト、カラーが込められています。
いつもブレンドする時にはついつい薬品の香りが漂う?鮮やかさに欠ける色彩を持つherb?を外しがちです。

でもそれらに含まれる成分はどれも捨てがたいものばかりです。
今夏のように体にとっては厳しい季節となれば、日頃外しているherb達にもついつい応援をかける気にもなります。

私のherbブレンドのスタイルはいつも決まっています。

まずは季節に沿うべきherbをイメージしランダムに選び出します。
次にそのherb達が持つそれぞれの効能と私が求める効果をすり合わせていきます。
大体のメンバーが決まったところで、それぞれのherbが持つ特徴的なテーストが融合できるかどうかをイメージします。

そうしてここから先はイメージから離れて、実際に試飲します。
それで香り、テースト、カラー的によければそれでブレンドは決定されます。

しかし少しでも、イメージと違ったり、テーストに対して納得いかない時は?
全てのherbをシングルでいれて、それぞれ単独での香り、テースト、カラーをチェックします。

それで各herbの個性を細部にわたって再確認した上で納得のいくところまで微調整し、仕上げています。

これが私のブレンドスタイルなのです。

長年、栽培から加工まで携わっている私にとっては、herbの個性や、香り、テースト、カラーは周知しています。
しかし、herbは一定ではなく毎年大きな振りを見せてくれるのも事実です。

根本は変わらないのですが、私たちが装いを変えるのと同じで、herb達もその年その年の土壌の変化、日照時間、雨量など多くの気候変動によって変化を見せるのです。
もちろん人工的に私の採取のタイミングも影響します。
また面白いことにherbの年齢によって、特にテーストはどんどん変化していきます。

ですから、結果的には同じものはブレンドとして仕上げられないと言うことになります。
一期一会でしょうか?

JHSのherbは自生種で薬品類を一切使わない栽培ですので、その年の気候や土壌の状態を真面に受け続けての仕上がりなのです。
共に生き共に歳を重ね共に過ごしている感じが湧いてきます。

毎月季節のブレンドを皆様に飲んでいただいているのですが、今月のブレンドは久しぶりに「晩夏」と言うタイトルをつけてみました。

酸味と清涼感、強壮感のあるブレンドに仕上がりました。
このブレンドの特徴はThyme.
Thymeはとても多くの効能を持っています。

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Thyme

テーストは辛み、渋み、苦味。
薬理作用は呼吸器系と泌尿器系への殺菌作用、抗菌、気管支鎮痙、去痰、消炎、収斂。。。。
まだまだあるのですが、それらによって喉の痛み、口内炎、喘息、気管支炎、消化器不調、女性の生殖器不調、心身強壮に使用できます。

スパイシーな刺激とエネルーギーを感じる事ができるのですが、一言で言うと、テーストが薬品臭いので飲用する場合は少し場を考えなくてはなりません。

しかしこの暑さによる消耗を考える時、どうしてもこのherbをブレンドメンバーに入れたく、今回はそれに挑戦した次第です。

他にも思い切ってブレンドメンバーを多くチョイスしてみました。
Lemon basil Lemon verbena などです。

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第一段階のブレンドメンバー

herbでもEssential oilでも多くをブレンドすればいいと言うものではありません。
むしろ削ぎ落として最小限のメンバーだけで目的を果たせるメンバー構成が最も優れたブレンドと私は理解しています。

こんな訳で、今回は7種の中から4種まで絞り込むことができ、美味しいherb tea が仕上がりました。

来月は暦の上では初秋、またイメージを膨らませるところから始めたいと思います。

さて、herb teaのお話が長くなってしまいました。
ここで少しだけ、晩夏の圃場についてお話ししたいと思います。


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夏らしい雲が広がります

8月はherbもお休みの期間に入ります。
Wild flower をはじめにシーズンが開幕しCamomile Poppy Corn flower そして Lavender と華やかだった 時期が過ぎ、このお休み以降は Lemongrass Fennel Echinacea Basil Marsh mallow など強壮系の力強いherb達が成熟して収穫の時を迎えます。

先日、試し堀りで、Marsh mallowの根を掘り上げました。
Marsh mallowは根が1番の活用部位となります。
4−50cm程度株の周りを掘り、抜根します。
力強い根茎部を見ることができました。
それを水で丁寧に優しく洗い土を落とします。
そして7割方乾燥するまで、しばらく日光に当て干します。
それから適当な大きさに刻み、そのあと乾燥機で完全に乾燥させて保存します。
本来ならばhallで保存したいところですが、これは完全に乾かしてしまうと刃が通らないほどの硬さになってしまいます。
粉砕が困難な理由から私は使用形状に先に刻んで完全乾燥させる方法を取っています。

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試しに小さめのMarsh mallowを抜根してみました

本来このMarsh mallow の根は根元にもう少し親芋のような塊を見せてくれます。
しかしそれは肥料過多な土で育てた時のことのようです。
JHSは無施肥で栽培しているため地力のみではこのような形になります。

それでもこの加工済みのMarsh mallowをお湯に入れるととろとろの本来のMarsh mallowの状態を見せてくれます。

JHSのモデル犬として共に生活をしているItalian greyhoundのSweet Marjoram。
今は17歳を迎え老犬として最後の時を過ごしています。
そのMaraが先日から便秘を起こしていました。

丁度乾燥機に入れる前の刻んだ Marsh mallow があったので、それをお湯に入れ濃いめのherb teaを作り飲ませたところ、数時間で順調に改善しました。
本当にherbがありがたいと感じる時でした。

以前、便秘症の人にこれを処方し、寛解ではなく治癒しました。
そんな訳で、私はMarsh mallowと言うと便秘薬とシフトしてしまいます。
もちろんMarsh mallowにはもっと他の効能があります。
呼吸器、消化器、泌尿器と多岐にわたって効果を示します。

まだまだ圃場にはMarsh mallowが成熟した状態で生存しています。
この先誰かのお役に立てるようにと願いながら収穫し、時をかけて加工したいと思っています

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圃場は秋に向かっています

もうすぐ秋ですね。
皆様もどうかこの晩夏を乗り切り、気持ちの良い初秋をお迎え下さい♡
また次回をお楽しみに。。。

2023年8月31日Permalink