2022 JHS Herb Times Vol.1

Vetiver

この頃見られるカーリーヘアーのVetiver♡
もう10年以上前から研究圃場に自生している。
根元のExtra grassを手入れするときほのかに香るVetiverの香り。
この地下茎にはあの精油のVetiverが生息していると実感する大事な時。
日本の茅(かや)には負けない3mほどの成長を見せ、株は3年もすれば優に50cmは超える大株に成長。

成長期のVetiver

成長期を過ぎると葉先の先端より20cm-30cmほど鋭利に曲がりオルガヤ属の
Lemongrassとは違った姿を見せてくれる。
折れたかのように見えるけれど、曲線的であるのが可愛らしい。
もちろん折れてしまっては、先端まで栄養が届かなくなり、枯れてしまう。
だから折れるのではなくちゃんと曲線で曲がって養分をお送り続けているため、常に葉先まで青々と保っている。
なんともチャーミングで「やるなぁ」と思わせてくれる。

よく観察しないと折れると、曲がるの違いがわからない

ある時YouTubeか何かでハワイのマウイ島でVetiverを栽培する少年を見た。
その子はVetiverを抜根し持ち上げている自慢の笑みを見せてくれていた。
なんとも印象深い笑みだった。
確かにわかる!
私にもあの少年と同じ腕力があれば持ち上げてお見せしたいところ。
でも私にはそんな腕力もなく、真似をすることはできないのが残念。

30cm程度の鉢を直接圃場の土に埋めて栽培したVetiver

この根を伸ばすと地上部位と同じか8割程度の長さを持っている。
やはり根の持つ香りがメインであるかのように、Vetiverは根を育てるHerb。
持ち上げはできなかったが、好奇心だけは少年には負けない。
ある日ほぼ1日をかけて自生した大株を抜根したことがあったけれど、持ち上げることも大変だが、掘り上げることの大変さを身にしみて覚えさせられてしまった。
要は平地に栽培するとユンボでも持ってきて掘らない限り、抜根は至難の技が必要。
少年たちが栽培しているように、断崖の傾斜地を利用し、幅の狭い棚田のようにして栽培するのが板根を考慮すると賢い栽培法と言える。
円周を全面から掘り出すよりも、一辺を削って横に引っ張り出した方が効率的なのだと。
私はもう穴掘りはしたくないので、一生に一度の経験にしたいけれど、Vetiverは虜にさせられてしまう魅力がある。

JHSではこのVetiverの活用を色々実験してみている。
標本を作るような全棍を収穫はしないまでも、ある程度掘って根を収穫し、水蒸気蒸留により、主に蒸留水を取っている。
それは通常の活用法だけど、最近は地上部に価値があるような気がして私にとってのVetiverへの想いと魅力は尽きない状態。

Vetiverが茅であることから、圃場内の栽培資材としての活用である。

日本人ならば感覚的に理解は容易なことと思うけれど。
茅葺き屋根の古民家を想い浮かべてみて!
保温、保湿、防水、通気、耐久性において稲から取れるわらどころの騒ぎではない。
これらは量販店で手に入れられる資材に劣らないこと。
植物は植物で生かし守るということ。
具体的にはJHSのHerb栽培には寒冷紗も、ネットも、マルチも支柱も全ていらず、TeatreeもLemongrassの冬ごえも、ニンニク栽培もJHSの圃場内では順調に活用しているのが実態。
もちろんこの活用法には、豊かな発想と工夫と感性が必要だがけれど、この地上部の活用は本当に興味深いことをお伝して。。。。。

また次回をお楽しみに♡


2022年1月13日Permalink