精油の収率と土壌の関係について

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この4〜5年の間に理想的な土壌改良を進めてきて、ようやく少なくともセラピストとして安心して薬用植物の収穫が出来る状況になりました。
今回は最もオーソドックスなHerb である、Lavandinの蒸留実験を行いました。

Herbは何と言っても香りが命です。
香り成分がどれだけそのHerbに含まれているかで、そのHerbが育つ土壌の善し悪しを見極める事を前提としました。
毎年、色々な圃場より得たLavandinの蒸留を行っていますが、収率は花穂1kg当たり1.5~2%前後です。

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精油の収率比較は、気象条件、栽培条件、収穫期等に大きく左右されます。
従って長きにわたってエビデンスの集積を行わないと決定的な土壌の評価は出来ませんが、今年の蒸留実験では大きくその収率の数字に興味深い違いを見出すことが出来ました。

栽培土壌の異なる複数の圃場からLavandinを収穫し蒸留しました。
JHSの植物性有機農法より得られたLavandinとその他の栽培法で得られたLavandin(動物性有機農法、化学肥料栽培、園芸資材による栽培など)で比較しました。
結果、植物性有機農法より得られたLavandinからは、3〜4%近い収率で精油が抽出されました。

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香りの面でも、植物性有機農法より得られた精油は芳醇で、角のない柔らかい香りで、LvandinでありながらよりよりTrue Lavenderに近い物でした。
これで又、Lavandinに対する認識が新たな物となりました。

来シーズンも抽出実験を行い、土壌と精油の収率の関係を研究したいと思います。

2011年7月1日Permalink

Salvia sclarea の蒸留実験

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Salvia sclareaの精油はメーカーによって香りの違いが大きいと思います。
また、品質の差によりこのSalvia sclareaの精油は初めに嗅いだ香りのイメージが悪く好感度が低いと言うイメージもあります。
私も本来のまともな香りのスケールが欲しく、圃場より咲き乱れたSalvia sclareaを適期に収穫し蒸留実験を行いました。
Hydrosolsも欲しく4時間ほどの蒸留実験となりました。

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精油は初期の段階で回収しました。
芳醇な香りで部屋は満たされ、直接精油を嗅いだ状態では身体の芯から鎮静される感覚を得ました。
鎮静作用を持つ精油は多くありますが、Lavender,Marjoramを遙かに上回る感触です。
純度、鮮度その他の影響でしょうか・・・
改めてSalvia sclareaの精油との付き合いを考える結果となりました。

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Hydrosolsも2L程回収しました。
これは、飲料、ローションとして活用していますが、精油には無い柔らかさを持っており、まさに紅茶のアールグレーの香りです。
セラピーではデプレッション気味のクライアントに有効です。
感情の安定にも優れているような感触を得ています。

Salvia sclareaはHerbとしては花は確かに綺麗ですが、やはり精油の為、蒸留の原料としての価値が見逃せません。

2011年6月13日Permalink

癌とアロマセラピー

JHS ではAroma therapyとIsotope therapyをテーマに研究を行っています。
今回は2009年より続けていた「癌とアロマセラピー」の検証報告です。

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アロマセラピストとして癌患者さんと初めて向き合ったのは2年前の事でした。
勿論、アロマセラピーをもって癌に挑戦した訳ではありません。
むしろ闘病を続ける癌患者さんにアロマセラピストとしてまた、アロマ(芳香成分)が何処まで患者さんに受け入れてもらえるのかと言う疑問を抱えてのスタートでした。

私と患者さんとの向き合い方は、その時々に於いて、患者さんがどのような苦痛を抱え、心の中にある不安や恐怖そして希望について一緒に会話する事でした。
そのセッションを繰り返す中で医師から告げられたリミットを遙かに超え、充実した時を少しでも多く共有出来た事は事実です。

アロマセラピーとしての精油やハーブのレシピーも重要であり、実際に、多くのハーブや精油を使い、諸症状に対する施術、ケアーをもって対処に当たりましたが、患者さんの闘病が終わった今、何が重要であったかは別の何かがあるように感じています。

癌患者さんは多くの痛みや苦痛、不安、恐怖を抱えています。
それらを100とした場合、患者さんは終末に近づけば近づくほど0より99を望んでいると言うことです。

また、患者さんは弱者と思われがちですが、看病に当たるご家族や、治療に当たる医師よりも遙かに強人であることをセラピストは認知しておかなくてはなりません。
それは孤独な闘病の中で患者さんは健常者の予想を遙かに超えるマニアックとも言える試練、ミッションをこなす事で、慰められる立場ではなく時として周囲を癒す立場に立つ事さえあるからです。
尊厳死という言葉があるように、アロマセラピストは患者さんと向き合う場合、「患者さんを尊厳する」事を根底におかなくてはなりません。
セラピストとして「何かお役に立ちたい」「癒して上げたい」等と言った、無責任で傲慢な気持ちではとても向き合ってセッションを行うことは出来きません。
実際現場に立たされると、それほど現状は厳しいと言うことを理解してもらえればと思います。

実際に行ったセラピーの詳細は量的にもプライバシーの面からもこのページでご紹介するのは控えますが、このセラピーを通して得たことは・・・
1)タッチングの理論を基本に考える事
2)患者さんが最もリラックスしてセラピーが受けられる環境とシステムを個々の患者さんに対して確立する事
3)患者さんを常に尊厳する事
の3つに要約されます。

患者さんとのこの2年間の経緯を今後の研究に生かし、「アロマセラピーと同位体療法」の検証を続けたいと思います。

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毅然と誇り高く生き抜いた患者さんに対し、
「敬意の念と感謝の気持ちをもって、心よりご冥福をお祈りいたします。」
IFA 正会員 アロマセラピスト 石井智子

2011年1月26日Permalink